こんな方に向けての記事です。
- 客先常駐が何か知りたい方
- 客先常駐のメリット・デメリットを知りたい方
- 自分が客先常駐に向いているかを知りたい方
「客先常駐」で検索すると、いろいろな意見が出てきます。
「楽しい」という人もいれば、「つらい」という声も多くあります。
私自身も5年間客先常駐企業で働いていました。
この記事では、客先常駐の解説や実際のメリット・デメリットなどを解説していきます。
客先常駐について正しく理解しましょう
客先常駐とは?
客先常駐とは、IT業界でよく見られる働き方の一つです。
企業に所属しながら、別の顧客先の企業での業務を担当する形態です。
客先常駐の特徴は以下の通りです。
- 顧客企業のオフィスに常駐する:
顧客企業のオフィスに毎日出勤し、顧客企業の社員と同様に業務を行います。 - 顧客企業の指示のもとで業務を行う:
顧客企業の担当者から指示を受け、顧客企業のニーズに合わせた業務を行います。 - 派遣会社やSES企業に所属する:
派遣会社やSES企業に雇用されており、給与は派遣会社やSES企業から支給されます。
客先常駐のメリット/デメリット
客先常駐のメリットは以下の通りです。
- 様々な経験を積むことができる:
多くの顧客企業と関わることで、様々な業界や業種、システムの経験を積むことができます。 - 高いスキルを身につけられる:
顧客企業のニーズに合わせた業務を行うことで、高度なスキルを身につけられる可能性があります。 - 人間関係のリセットができる:
もし大きな問題を起こしてしまっても、別の顧客先に行けば特に問題ありません。 - 独立しやすい:
顧客企業との人脈や経験を活かして、独立しやすいというメリットがあります。
対して、客先常駐のデメリットは以下の通りです。
- 不安定な雇用:
派遣契約や準委任契約に基づいて業務を行うため、雇用が不安定になる可能性があります。 - 長時間の労働:
顧客企業の繁忙期には、長時間の労働を余儀なくされる場合があります。 - 人間関係の構築が難しい:
顧客企業の社員との人間関係を築くのが難しい場合があります。 - キャリアパスの不明確さ:
将来のキャリアパスが不明確になる可能性があります
「やめとけ」と言われる理由は?
客先常駐はよくネット等で「やめとけ」と言われています。
その理由に関しては以下の通りです。
- 成長しないから
- 出世・昇進の機会が少ない
- 下流工程の業務が多いから
- 顧客先での立場が弱いから
- 自社に対する帰属意識が低下するから
それぞれ解説していきます。
【理由1】成長しないから
新卒や若手の場合、実務経験を積んでスキルを磨くことは非常に重要です。
しかし、客先常駐では、顧客企業の指示に従って業務を行うことが多く、裁量権が限られています。
そのため、上流工程と呼ばれる経験を積む機会が少なく、スキルを身につけにくいというデメリットがあります。
上流工程とは、システム開発の全体像を決定する工程です。具体的には、以下の作業を行います。
- 企画: どういったシステムを作るかの構想を行います。
- 要件定義: 顧客のニーズや課題を明確にし、システムに求められる機能や性能を定義します。
- 設計: システム全体の構成を設計します。
【理由2】出世・昇進の機会が少ない
客先常駐企業では、出世や昇進につながるチャンスが限られていることがあります。
特に新卒や若手の場合は、実績を積んで評価を得るまでに時間がかかることが多く、キャリア形成に不安を感じる人も少なくありません。
【理由3】担当業務は下流工程が多いから
顧客先での業務は、多くが下流工程になることがあり、自分のスキルや能力を活かせない場合もあります。
また、下流工程を多く担当していると、設計などのスキルが磨きにくく、将来的なキャリア選択肢が狭まる可能性があります。
下流工程とは、上流工程で設計された内容に基づいて、システムを構築する工程です。
具体的には、以下の作業を行います。
- プログラミング: 設計書に基づいて、プログラムを作成します。
- テスト: 作成したプログラムが正しく動作することを確認します。
- 運用・保守: システムをリリース後、運用・保守を行います。
【理由4】顧客先での立場が弱いから
客先常駐では、顧客先での立場が弱く、指示に従うだけという状況に陥ることもあります。
特に新卒の場合は、経験やスキルが不足しているため、顧客先からの信頼を得るのが難しい場合もあります。
また、場合によっては客先常駐の人が見下されることもあるため、モチベーションが下がることがあります。
【理由5】人間関係の構築が難しいから
客先常駐では、顧客先の人々と良好な人間関係を築くことが重要です。
しかし、異なる企業や文化を持つ人々と接するため、時間と労力が必要となります。
また、人間関係がうまくいかない場合は、ストレスを感じやすく、仕事に支障をきたすこともあります。
【理由6】会社に対する帰属意識が低下するから
客先常駐では、自社ではなく顧客先で勤務する働き方です。
そのため、会社に対する帰属意識が低下しやすいというデメリットがあります。
特に、新卒の場合は、自社の文化や価値観を理解する機会が少なく、帰属意識が育ちにくい場合があります。
向いている人の特徴
客先常駐は、様々な企業や業界で経験を積むことができ、高いスキルを身につけられる魅力的な働き方です。
しかし、その一方で、環境の変化に適応できる力やコミュニケーション能力、積極性などが求められれます。
すべての人が客先常駐に向いているわけではありません。
では、客先常駐で活躍するためにはどのような人材が求められるのでしょうか?
以下に、客先常駐に向いている人の特徴を7つご紹介します。
- 変化に適応できる力
- コミュニケーション能力
- 積極性
- 自立性
- 専門性
- 忍耐力
- 柔軟性
1. 変化に適応できる力
客先常駐では、プロジェクトごとに顧客企業や働く環境が大きく変化します。
そのため、新しい環境にすぐに適応し、変化を柔軟に受け入れることができる人材が求められます。
2. コミュニケーション能力
顧客企業の担当者や社内のメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることが重要です。
積極的にコミュニケーションをとり、周囲と協調しながら仕事を進めることができる人材が求められます。
3. 積極性
与えられた仕事だけでなく、自ら課題を見つけ、積極的に行動できる人材が求められます。
積極的に提案を行い、周囲を巻き込みながらプロジェクトを成功に導くことができる人材が求められます。
4. 自立性
指示を待つのではなく、自ら考え行動できる人材が求められます。
問題が発生した際にも、迅速かつ柔軟に対応できる自主性を持った人材が求められます。
5. 専門性
プログラミングスキルやシステム開発に関する知識など、専門的なスキルを持っている人材が求められます。
常に向上心を持ってスキルアップを図り、自身の価値を高めることができる人材が求められます。
6. 忍耐力
新しい環境に慣れるまで時間がかかったり、人間関係の構築に苦労したりすることもあります。
困難な状況にもくじけず、目標に向かって努力を続けられる忍耐力を持った人材が求められます。
7. 柔軟性
様々な状況に対応できる柔軟性を持った人材が求められます。
思い通りにならないことがあっても、気持ちを切り替えて前向きに取り組める人材が求められます。
上記のような特徴を持つ人は、客先常駐で活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。
客先常駐を検討している方は、自身の強みや弱みを理解し、客先常駐に向いているかどうかを判断することが重要です。
客先常駐の働き方を回避するおすすめの方法
客先常駐のデメリットを回避するためには、自社開発エンジニアへの転職が一つの方法です。
自社開発では、安定した給与やキャリアパスが見込めるため、不安定な客先常駐から抜け出すことができます。
また、社内SEになりたいと考えている方は、以下の記事も参考にしてみてください。
給料アップの可能性が高い転職サイトも紹介しています。
まとめ
客先常駐は「つらい」「やめとけ」と言われることもありますが、自分に合った働き方を見つけることができれば、新たなキャリアの可能性を広げることができます。
自分の価値観やキャリアプランを考え、転職を検討する際には、転職サイトの利用、適切な転職エージェントの活用等賢い選択が重要です。
客先常駐が自分に合っているかの見極めが大切です!
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